2021/02/17

テト(ベトナムの旧正月)ご紹介

 

こんにちは。PDユニットのハイです。

今回私は、ベトナムの旧正月をご紹介したいと思います。

日本と違って、私の国、ベトナムでは旧暦で新年をお祝いします。今年は2月12日でした。
お正月を「テトTết=節」 (テト・グエン・ダン 元旦節)と呼び、年間を通じて最も重要な祝祭日です。ベトナム人に一年の中で一番大切な期間と聞いたら、ほとんどの答えはテトです。

テトの準備

ベトナムの家庭では、テトの2週間前からいろいろと準備をしなければなりません。大体、オンタオを見送る式からテトの準備が始まります。

1. オンタオを見送る式

旧暦12月23日の夜にオンタオを見送る式を行います。オンタオという神様がキッチンに居るとされています。オンタオは人間の良い行い・悪い行いを1年間分全てメモして、神様に報告する人物です。ベトナム人として、オンタオを見送る式も大切な式です。ただ、各家庭で必ずオンタオを見送る式が行われるというわけではなく、カトリック教の家庭ではこの式をやりません。

2. 掃除

ベトナムでは古い物を送り、新しい物を迎えるという観念があります。テト前、家族みんなで家を大掃除します。各部屋・リビングルーム・キッチン・家具を掃除し、布団も洗濯し、供物台も綺麗にします。赤・ピンク・黄色はラッキーやハッピーの象徴だと言われていますので、ピンクの桃の花(北部)や、黄色いアプリコットの花(中部と南部)、金柑などで家を飾ります。

テトは先祖を思い出す機会でもあります。昔から、テト前にお墓の掃除の習慣があります。家族みんなで集まり、先祖のお墓を掃除し、お香や花を供えます。これは良い文化と思っております。

⒊ 食べ物の準備

テト料理がたくさんありますが、下記のものが一般的で、どの家庭でも食べられます。

まず、もち米や豚肉や緑豆などで作られたケーキのバンチュン(Bánh chưng)です。ベトナム人にとって、バンチュンはテトにおいて非常に重要な伝統料理で、バンチュンがなければテトの雰囲気がありません。ベトナムの旧正月といえばバンチュンです。

私が子供の頃、お父さんがテトの1〜2日前にバンチュンを作ったのを今でも覚えています。
バンチュンは、作るのに8時間かかるので、ストーブの前に大人が座って出来上がり具合を見ながら、今年あったことや新年の願いについて話をします。

次に、豚肉と卵の角煮のティッコータゥ(Thịt kho tàu)です。旧正月はスーパーマーケットが3日間~1週間休みになりますので、各家庭で豚肉と卵の角煮を作り置きしています。豚肉と卵の角煮は1週間程日持ちするからです。

それから、ユア・モン/ユア・ハン(Dưa món/dưa hành)という、人参や玉ねぎなどの漬物です。バンチュンと一緒に食べたらもっと美味しいです。


。。。

お母さんが作ったら、どんな料理も美味しいでしょう。家族と母の料理を食べながら、話す事は一番幸せですね。長い間、お母さんの料理を食べていませんので、懐かしいわー。

今年も我が家でテトの料理を用意しましたが、日本では必要な材料を全て揃えることが出来ませんでした。

4. 忘年会

忘年会は、旧暦の12月29日、30日に行われます。みんなが笑顔で会うための時間で、旧年に何か悪いことがあっても、昔のことは許して、家族や親戚、仲良しの友達と新しいスタートを切ります。ベトナム人はどこにいても、テト前の忘年会には帰省したいと思っています。私の家族は毎年30日に家族の忘年会を行います。色々な料理を準備しますが、必ずゴーヤ肉詰めスープ(Canh khổ qua)があります。「khổ qua」は苦しい事も過ごしたという意味ですので、テトによく食べられています。日本なら12月31日の大晦日に、おそばを食べるようなものでしょうかね。

テトの過ごし方

旧暦12月30日の夕方に先祖と神様を新年の食事会に招待するため、新年の食事を用意します。我が家では、20時にすべてがきちんと準備され、家族全員が集まって、1年に1回だけ放送される「Táo quân」というテレビ番組を見て、沢山笑っています。12時の鐘がなると、カトリック教の私の家族は教会に行って、新年のお祈りをします。

テト元旦には、両親が子どもたちにお年玉をあげて、お祝いの言葉を伝えます。
早朝から家族のみんなで新しいきれいな服を着て、新年を祝うために、親族や近所に訪問を行かれます。テト元旦から3日まで親族、近所や友達訪問などをします。2日、3日に若者たちは誰かの家で集まって、飲んだり、食べたり、カラオケしたりします。すごく楽しいです。テトは本当に最も神聖、特別な日です。それは家族全員が集まり、一緒に楽しむ機会であり、誰もが新しい服を着て、旧年中のすべての悲しみと不運を終わりにして、新しい年を祝う機会です。私はテトに家族揃って、家で新年を迎え、のんびり過ごすことが一番好きです。

テトにはすべきではない事も有ります。テト元旦にゴミを出してはいけません。この日にゴミを出すのは、新年の幸運も一緒に捨ててしまうと考えられているからです。
また、火は幸運のイメージがあるので、ライターを他人にあげてはいけません。タバコを吸う人は気をつけた方が良いですね。

以上、ベトナムのテトをご紹介させていただきました。今年は実家に帰って、父母と一緒にテトを過ごせませんが、来年、コロナが落ち着いたら是非ベトナムでテトを過ごしたいと思います。日本だとちょっと遅いですが、皆さん新年明けましておめでとうございます。今年も引き続きよろしくお願い致します!

Chúc mừng năm mới, phát tài phát lộc!
( 明けましておめでとうございます、幸運を祈ります!)

\ この記事はどうでしたか? /

ライター
ハイ
システムエンジニア

このライターが書いた記事

  1. システム開発担当者のためのソフトウェア開発におけるScrum (スクラム)プロセス

  2. テト(ベトナムの旧正月)ご紹介

  3. アプリを接続するオンライン自動化ツール!Zapierのご紹介

同カテゴリーの記事

  1. 【社員にフォーカスON!】村上香/MTグループ サービスマネジメントユニット・ユニットリーダー

  2. 【社員にフォーカスON!】岩本主計/ビジネスITグループ統括、経営管理部・ユニットリーダー

  3. 【社員にフォーカスON!】野見山卓也/取締役・西日本支社長・アカウントエグゼクティブ&マーケティングユニットリーダー