2020/01/14

和の結婚式(和婚)とは? 種類は? やり方は? 解説します!

 

こんにちは。CCユニットで編集ディレクターをしているきらです。私はフォーグローブに入る前にウエディングメディアで編集ライターをしておりました。なかでも、日本文化や伝統を取り入れた“和の結婚式”(業界では“和婚”といいます)を専門に扱うメディアに長らくいたので、和の結婚式にとても詳しくなりました。

そこで!今回は和の結婚式とはなんなのか?どんな種類があってどんな風に行われるのか、などについてご紹介します。ちなみに1、2月はウエディング業界はとても忙しいです。なぜならお正月に実家で結婚報告をしてから本格的に準備に動き出すからー!ウキウキの一番楽しい時期ですね♡では!和の結婚式について見ていきましょう。

和の結婚式の“挙式”とは

何をもって和の結婚式というか、という定義は色々あると思いますが、一般的に挙式を“和”の要素で行うと“和の結婚式”と呼ばれることが多いようです。そこで、和の結婚式の挙式にはどんな種類があるのかご紹介します。

和の結婚式の挙式その1:神前式

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“神前式”とは日本の神様にふたりの結婚式を報告する儀式です。日本の神様はどこにいらっしゃるかといいますと“神社”ですね(お寺ではありませんよー)。つまり、神社で結婚式を行うことを神前式と言います。しかしそれ以外でも神前式はできます。それはホテルや結婚式場に神社から神様を分霊した神殿がある場合があるから。神社で挙式をすると披露宴をする場所が神社にはない場合があるので、「移動が大変」という場合にはホテルや結婚式場の神殿で神前式をするといいですね。

多くの神前式は以下のような式次第(流れ)で行われます。

1.参進の儀(さんしんのぎ)

境内を神職と巫女に導かれ新郎新婦と列席者が儀式を行う場所まで歩きます。

2.斎主挨拶(さいしゅあいさつ)

式を司る神職のことを斎主といいます。斎主から式が始まる前に挨拶があります。

3.修祓の儀(しゅばつのぎ)

お祓いで心身を清めます

4.祝詞奏上(のりとそうじょう)

斎主によるお祝いの言葉が神様に伝えられます。

5.三献の儀(さんこんのぎ)

三々九度とよばれるものです、新郎新婦が盃でお神酒を飲み交わします。お酒が苦手な人は飲み干さなくても口をつけるだけで大丈夫です。

6.誓詞奏上(せいしそうじょう)

新郎新婦が神様に結婚の誓いを行います。この“誓い”という言葉は違って、あくまで神様にふたりの結婚を“ご報告する”儀式である、という神職の方もいらっしゃいます。

7.玉串奉奠(たまぐしほうてん)

榊(さかき)の枝に紙垂(しで)をつけたものを神様へ捧げます。やり方は神社によって違います。

8.指輪の交換

指輪の交換は日本文化にはないものでしたが、神前式にも取り入れられ多くの神社で儀式の一部になっています。ここで、指輪ではなくて指輪をかたどった“結い紐”を交わす神社もあります。指輪の交換がしたい場合には結い紐を交換した後に行います。

9.巫女舞

巫女が神様に舞を奉納します。神社によって巫女舞の種類や巫女の衣装や髪飾りなどが違います。

10.親族盃の儀

親族が盃でお神酒をいただきます。

11.斎主祝辞

斎主から、ふたりと両家へお祝いの言葉がのべられます。

12.退場

 

神社や式場、ホテルによって神殿はとても特徴があり色々なので神前式を考えているのなら「神社はどこも同じ」と思わずに色々足を運ぶといいと思います。お祀りされている神様も違うので、空間で選ぶのか神様で選ぶのか、はたまたふたりが暮らす土地の氏神様で挙式を望むのか色々な選択方法があります。

神前式と聞くと衣装は白無垢(真っ白な花嫁衣裳)と思う人も多いと思いますが、色打掛や振袖でもいいですし、ワンピースなどの正装でもいいです。ドレスでもOKという神社もあります。

ちなみに、神社で最初に神前式を行ったのは飯田橋にある東京大神宮です。縁結びの神様としても有名です。山里亮太さんは毎年、東京大神宮に良縁祈願に参拝していたそうです。ご利益ありましたね!

和の結婚式の挙式その2:仏前式

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“仏前式”とはお寺で式を挙げることです。「自分の家の宗派と挙式をするお寺は同一でなければいけない」と思われるかもしれませんが、一概にそうではありません。教会式と同じで、多くのお寺は宗派が違っても挙式を受け入れてくれます。岩手県の中尊寺・毛越寺など世界遺産になっているお寺でも挙式を行っています。仏前式はお寺や宗派ごとに儀式の流れが違います。

仏前式の衣装のルールも神社同様そのお寺ごとですが袈裟をつける場合が多いように思います。

和の結婚式の挙式その3:人前式

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“人前式”とは神様などに誓うのではなく、列席者にふたりの結婚を報告し誓う挙式スタイルです。最近は和の人前式も色々なものが出てきています。“和奏婚”といって、琴や尺八の演奏の中で三々九度を交わし、指輪の交換をして結婚の誓いをのべるものや“茶婚式”といって茶道の精神にのっとって挙式を行うものなどがあります。神様や仏様に誓うのではなく、周りの大切な人たちに誓いたいという場合や、オリジナリティのある挙式をしたい、という方におススメです。

和の結婚式の会場とは

会場とは“披露宴会場”のことです。つまり、挙式のあとの祝宴を行う場所です。和の結婚式にふさわしい場所はどんなところがあるのか見ていきます。

和の結婚式の会場その1:専門式場

“専門式場”の定義は難しいのですが、日本の四大専門式場といえばウエディング業界では「明治記念館」「八芳園」「ホテル椿山荘東京」「ホテル雅叙園東京」です。明治記念館は明治神宮の総合結婚式場としてつくられました。八芳園も結婚式場としてつくられ館内には神殿やチャペルがあります。結婚式以外にもイベントなどが開催されます。ホテル椿山荘東京とホテル雅叙園東京はホテル施設もありますが、チャペルや神殿もあり、多くの結婚式が行われています。専門式場の特徴としては、基本的には挙式・披露宴をするために作られているので結婚式のすべてがそこでまかなえる、ということです。大きな日本庭園などを有している式場が多いので和の結婚式にはピッタリです。

和の結婚式の会場その2:ホテル

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多くのホテルは外資系であっても神殿やチャペルがあり、結婚式に対応しています。専門式場と同様に結婚式を行うための機能がすべて館内にあるので準備も楽ですし、遠方からゲストを招待するのであればホテルは好都合です。また、バリアフリーであるところが多いので年配者や小さなお子さんがいる場合も心配ありません。

和の結婚式の会場その3:料亭

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料亭で披露宴を行うことはもちろんですが、神殿をもっているところもあります。レストランウエディングが一時大ブームになりましたが、料亭はいってみれば和のレストランなので、そう考えると違和感がないですね。なかなか普段の生活の中で料亭に行くことはないと思うので、ゲストにも特別な体験をしていただくことができます。

和の結婚式の服装とは

和の結婚式の衣装とはどういうものがあるでしょう。一般的にイメージされるのは白無垢だと思いますが、その他にも色々あるので、ご紹介します。

和の結婚式の服装その1:白無垢

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ドラマや映画でもよく見る、「お嫁さんといえば!」の衣装が“白無垢”ですよね。どこにも色がない真っ白な衣装はどれも同じに見えるかもしれませんが、実は刺繍や柄、生地などの違いによって表情がぜんぜん違います。肌の色や顔立ち、背格好などで似あう白無垢は変わってくるので、ぜひ色々試してほしいと思います。

和の結婚式の服装その2:色打掛

“色打掛”とは文字通り、色の入った打掛の衣装。以前は掛下(かけした)といって打掛の中にきる着物は白であることが多かったのですが、最近は掛下も色物を合わせてコーディネートを楽しむ花嫁さんも多いです。自分の成人式の時の振袖を掛下にする人もいます。とても個性がでるので、人とは違う印象的な和装をしたい人には色掛下の色打掛がおススメです。

和の結婚式の服装その3:引き振袖

“引き振袖”とは一般的な振袖よりも袖が長い振袖です。絢爛豪華というより、スッキリと和装を楽しみたい花嫁さんにピッタリです。白無垢や色打掛よりも軽くて負担が少ないので、妊婦さんで和装を楽しみたい人にもいいかもしれません。

和の結婚式の服装その4:十二単

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皇后雅子さまの十二単姿を見て憧れた人はチャレンジしてみてはどうでしょう。和の結婚式でもまだまだ十二単をきる花嫁は少ないのでインパクト大です。主に披露宴ではなく、挙式に十二単を選ぶことが多いです。挙式や披露宴だけではなく、写真だけ十二単を残すという人もいるようです。

和の結婚式の髪型

芸能人の結婚式などで和装だけれども髪の毛はおかつらではない、という姿を見て和装=かつらというイメージは少なくなっているかもしれません。

和の結婚式の髪型その1:文金高島田

文金高島田は「重そう」「痛そう」「似合わなそう」などネガティブイメージを持つ花嫁さんも多いのですが、最近のおかつらは本当によくできていて、とても軽いですし締め付けの負担もほとんどありません。細かくサイズも分かれていて、きちんとフィッティングを行えば負担になることはほとんどないと思います。挙式では綿帽子や角隠しをつけるのが正装です。白無垢&綿帽子姿のお嫁さんに憧れている人もいると思いますが、本当にあの姿はお嫁さんの特権で神々しい美しさがありますね。

和の結婚式の髪型その2:半かつら

最近、主流になりつつあるのが“半かつら”。これは前の部分など一部を自分の髪の毛を使って日本髪を結うというもので、生え際のラインなどが美しく違和感がないので、とても人気があります。フルかつらよりも負担が少ないのもあり、「結婚式まで頑張って髪の毛を伸ばしました」というお嫁さんも多かったです。

和の結婚式の髪型その3:洋髪

近年の芸能人の影響もあり、大きい花やヘッドドレスをあしらう花嫁さんが増え、“和装に洋髪”も人気になってきました。「綿帽子をつけたいけど洋髪だと無理だから諦めました」というお嫁さんがいましたが、そんなことはなく、スタイルに制限はでるかもしれませんが洋髪でも綿帽子をつけることができます。

和の結婚式の髪型その4:江戸つまみかんざし

日本髪にも洋髪にも似合う装飾品として最近、人気なのが“江戸つまみかんざし”。江戸時代からあり東京都伝統工芸品にも認定されていますが、絹で作られた繊細で美しく可愛らしいかんざしは、見ているだけでもテンションがあがります。日本髪はもちろん洋髪にも似合うので、衣装に合わせて選ぶのも楽しみの一つです。お母さまが手作りしたものをつけているお嫁さんもいました。ただし、白無垢の場合にはべっ甲や真珠、白珊瑚、シルバーなど色のないものを合わせるので、江戸つまみかんざしを楽しみたい場合には色打掛か引き振袖になります。

和の結婚式の演出

披露宴の演出を考えるのも結婚式の楽しみの一つです。「徹底的に和の結婚式にしたい」「海外からのお客様のために和の要素を取り入れたい」など希望は様々だと思いますが、和の演出にも色々あります。いくつかご紹介します。

和の結婚式の演出その1:和太鼓

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バッとその場が盛り上がり、勢いがつくのが和太鼓の演出。迫力ある演奏を間近で見て聞くことができるのも魅力です。インスタ映えもしそうです。

和の結婚式の演出その2:餅つき

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「餅つきなんて盛り上がるの?」と、思われる人もいるかと思いますが、これが盛り上がるんです! 高速餅つきというのをテレビで見たことがある人もいるかもしれませんが、これは単なるパフォーマンスではなく昔からある伝統伎なんです。料亭結婚式の取材で高速餅つきを見たのですが、それはもう圧巻でゲストはほぼ全員周りに集まって動画を撮っていました。掛け声も威勢よく、ついたお餅はゲストにふるまわれます。

和の結婚式の演出その3:人力車

会場が大きくないと難しいですが、盛り上がるのが人力車で入場。花嫁さんのお色直しの再入場で行われることが多いようです。新郎がみこしに担がれて入場した披露宴もありましたが、「せっかくお色直しをしたのでドンっとインパクトのある再入場がしたい」というふたりにはピッタリです。

和の結婚式の演出その4:ウエルカムドール&ウエルカムボード

ウエルカムドールはキットが売られていて、ぬいぐるみに紋付き袴や白無垢を着せることができます。和スタイルのウエルカムボードは和紙に折り紙で花や鶴を飾って筆で文字を書いたところにふたりの写真を飾るなど、色々工夫してふたりの個性を出す新郎新婦が多かったです。てぬぐいを自分たちで染めて飾っている人もいました。お金をかけずにふたりの個性が出せるのがウエルカムドール&ウエルカムボードかもしれません。

和の結婚式の演出その5:かまぼこ入刀

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入刀ものは色々見ましたが、「和の結婚式にいいな」と思ったのは“かまぼこ入刀”です。鯛の形の巨大かまぼこに新郎新婦が入刀します。入刀ものまで和にこだわる新郎新婦は食事も会席料理や日本料理の場合が多く、大人のゲストはほぼ日本酒を楽しんでいます。その場合に、かまぼこ入刀をしてお酒のあてにかまぼこが振る舞われるのは自然でとても喜ばれます。

いかがでしたでしょうか!和の結婚式といっても様々な取り入れ方ややり方があり、工夫次第でふたりだけのオリジナリティの高い、印象に残る結婚式ができると思います。特に年齢を重ねた結婚や再婚のふたりだと、「あまり派手にしたくない」というケースが多いのですが、和の結婚式だと華やかさや上質さが上品に表現できてとてもいいと思います。ぜひ結婚式を楽しんでくださーい!

 

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