2019/02/25

【正しい大阪の掴み方】CASE.01 大阪でアートを掴む

 

2018年、日本に入国した訪日客は約 3,119万人。うち約3割が関西国際空港から入国した。

その多くが韓国や中国、台湾をはじめとするアジア圏からの訪日客だそうだ。

実際、私たち大阪ユニットの拠点がある心斎橋は、日本人よりも外国人の方が多いでは?と疑いたくなるほど訪日客で溢れている。

それもそのはず、2017年に近畿6府県で訪日客が使った金額は約11000億円にも及ぶと言う。

名実ともに「アジアの玄関口」となっているこの大阪は、2025年に国際博覧会も決定し、さらなる盛り上がりが期待されている。

この連載では、実際に大阪で働く弊社社員が、「ちょっとマケてぇや!」のイメージが先行する大阪の正しい今をお伝えしていく。

UNKNOWN ASIA

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大阪に、アジア各国のアーティストから注目を集めるアートコンペティションがある。

UNKNOWN ASIA Art Exchange Osaka」。

今回、その実行委員であり、創立者の一人でもある石川武志さんに「なぜ今、UNKNOWN ASIA が注目されるのか」について聞いてみた。

「僕自身がこの大阪で、アーティストとして生きてきました」

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ご本人もイラストレーターとして一線で活躍してきた石川さん。

UNKNOWN ASIA の原点は、ご本人の体験にあるという。

「20代の頃、様々なコンペティションに挑戦した中で、特に力を入れていた国際コンペティションで特別賞をもらえた事が、今の原体験になっていますね」。その時、副賞としてプエルトリコとニューヨークで作品を展示するチャンスを獲た石川さんは、その旅で様々な経験をしたそう。「そのツアーには浅葉克己さんなど著名なアーティストも参加しており、 20代の自分にとっては知らない世界がそこにはありました。それがアーティストとして世界に触れた最初の経験ですね」。

その後、専門学校で教鞭をとるようになり、そこで学生の現実を目の当たりにした。

「大阪でも十数年前にアートが元気な時代がありました。しかし、それがいつの間にか下火になり、学生が夢を持ちにくくなってきていたんですよね」。そんな時、一緒にUNKNOWN ASIAを立ち上げることになるヴィジョントラックの庄野裕晃さんから「アジアのアートシーンが熱い」という話を聞いた。

「僕自身、アートの本場は欧米であり、アジアは途上国だと思い込んでいました。それからアジアのアートシーンを注力してみると、日本にいるだけでは感じ取れないアジアのパワーを感じたんですね」。その潮流を逃してはならないと、UNKNOWN ASIA の元となる構想が立ち上がったそう。

「まずはネットでのアートコンペティションを開催」

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まずASIAN CREATIVE NETWORKという インターネット上のコンペを立ち上げた。

「正直びっくりしましたね。ネットコンペにも関わらず、アジア各国から約1,000人、 3,000もの作品が集まったんです」。

そのアワードは注目を浴び、東京青山の「竹尾 青山見本帖」で展覧会をするまでに広がったそう。

「その展覧会で、当時、関西のアートシーンの中心にいたFM 802からも賞を出してもらいました。そして、FM802が展開するアートプロジェクト「digmeout」のプロデューサーでもある谷口純弘さんとお話するうちに『大阪で国際アートフェアをやりたいね』と意気投合。2015年に第一回の『UNKNOWN ASIA 2016』を開催することになりました」

その展覧会は大阪文化の中心である中之島公会堂で開催され、120組のアーティストが参加。そのうち40組が海外からの参加であった。「手探りの開催でしたが、約6,500人の方に来場いただきました」。

「ただのアートフェアではなく、国を超えたビジネスマッチングがの魅力なんです」

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通常のアートフェアとの違いはビジネスマッチングにあるという。

「審査員として名だたる方々に参加いただくことはもちろん、アーティストの直接ビジネスに繋がるよう、クリエイティブ業界の関係者にレビュアーとして多数ご参加いただいています」とおっしゃる通り、レビュアーには広告代理店やプロダクションのディレクター、ギャラリスト、メディア関係者など多種多様な面々が集まっている。

「審査を通してアーティスト自らがレビュアーの皆さんと交流することで、企業案件から海外のアートフェスティバルへの招待、個展の開催など、様々なチャンスを掴んでいます。また、海外のアーティストにとっても日本に進出する機会になっており、注目度が年々増しています」

実際、アジア各国で開催されるポートフォリオレビューには現地アーティストの長蛇の列ができるという。かく言う私自身も2017年からレビュアーとして参加しており、2017年には前野めりさんを、2018年には木村華子さん(グランプリ受賞)を選出させていただいた。

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▲2017年 前野めりさん

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▲2018年 木村華子さん

今年で5周年を迎えるUNKNOWN ASIAは更にスケールアップをして開催される。

「今年は会場をグランフロント大阪に移し、過去最多、国内外から選ばれた約300組のクリエイターが参加します。また、さらなるビジネスチャンスを創出するために、審査員・レビュアーも総勢20o名選出し、さらなるビジネスマッチングが期待できます」。

加えて、グランプリ作家には100万円相当のアート活動サポートが受けられるのだとか。

現在もエントリーを受け付けているので、世界に出るチャンスとしてぜひ挑戦してもらいたい。

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ライター
たかつゆうぢ
アートディレクター

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