2019/08/08

テクノロジーが変える未来の日常 ~自動車編~

 

我々は日常生活の中で、最先端の技術が生み出す世界の恩恵を受けている。

たとえば、
鉄道の遅延情報、道路の渋滞情報はリアルタイムに知る。
明日の天気はAIスピーカーが教えてくれる。
数分後に訪れる大雨情報はスマートフォンで事前にキャッチ。
ロボット掃除機が床を綺麗にし、エアコンや照明も外出先から操作。(我が家にはないが)
カメラで家族やペットの様子を確認。(これもない)
遠くはなれた場所にいる家族や友人とも顔を見て通話。
自分の好きなジャンルに特化した映像もAIが自動でピックアップし閲覧。
買い物は現金を持ち歩かなくとも電子決済でスマートに。
お店にいかなくともスマートフォンで手軽にウィンドウショッピング、そして自宅に届けてもらえる。

まるで、子どもの頃に観た映画やアニメの世界が、現実になってきているように感じる。

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1.発展途上中の「自動車」という分野

そんな中で、「自動車」という分野は、テクノロジーの観点から考えると発展途上中であると言える。

日本経済新聞の2019年4月1日発表の全国上場企業の売り上げランキングを見ると、TOP5のうち自動車の業種は3社が入り、内わけは1位・2位・4位である。
言わずと知れた日本を代表する中心産業である。

それがなぜ発展途上中と言えるのか。

時代を遡ること1769年。人や馬が荷物を運ぶ時代、自動車はフランスにて発明された。
当時日本では徳川第10代将軍 家治が幕府を治める明和6年、江戸時代のまっただ中である。

そんな歴史の深い自動車は、馬の手綱を握り駆け抜けていた時代から250年がたった今も、
人がハンドルを握り、目と耳を使って周囲の安全を確認し運転している。

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2.交通事故

昨今メディアで取り上げられる、自動車が関係する痛ましい交通事故は後を絶たない。
自動車がこの世に生まれて250年が経った「今でも」だ。

近年の道路交通事故発生件数

内閣府の2018年の交通安全白書によると、近年の道路交通事故発生件数は47万2,165件。交通事故発生件数は13年連続で減少している。
これは飲酒運転や危険運転の厳罰化などの法整備、自動ブレーキ技術が浸透してきている影響ではあるが、まだこれだけの事故件数が発生している現状がある。

交通事故の要因

これだけオートメーション化が進む現代において、人の感覚そして手で操縦し、その心理状態、健康状態、気象条件天候に左右されるためだと思う。
また、通販分野の成長による便利な世界が実現されている反面、流通過多による運行車両の増加も要因の一つにあげられる。

交通事故はなくせるのか?

自動車の運転が完全自動化され、人の感覚よりも高性能なセンサー、高精度なプログラミングによる運転が普及していけば、交通事故0件の未来に限りなく近づけていけるのではないだろうか。

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3.自動運転技術とは

自動運転技術は、その名のとおり自動で運転する技術である。
その自動運転技術はレベル0~5の6段階に分けられ、一部はすでに実用化されている。

自動運転技術のレベル

レベル0:「手動運転」
レベル1~2:「運転支援」(自動ブレーキシステムや車線を外れた際の警告、車線維持での自動走行補助など)
レベル3~5:「コンピューターによっての自動運転」
・レベル3:緊急時のみ運転手へ操作移行
・レベル4:高速道路などの特定の条件下における無人運転
・レベル5:完全な無人運転

※レベル2の運転支援についてはすでに実装された車両が普及してきている。

現在、自動運転の実用化に向けて、技術以外に法律や事故の所在責任など政府を中心に検討が進められている。

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4.自動運転で得られる世界

自動運転の技術がレベル5に進むことで、前述の交通事故の減少への期待の他にも恩恵がある。

移動時間を別の時間に割り当てることができ、映画鑑賞など趣味を楽しんだり、食事をしたり、仕事をしたりと他の時間に費やすことができる。
また、交通事故の減少や自然渋滞の緩和によって交通渋滞もなくなっていく予測もある。

人の手で運転するよりも効率的な運転によって、燃料の消費減少、しいてはCO2排出量も抑えられる。

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5.自動運転によって失われるもの

自動運転が発達することで、無くなっていくであろうものがある。

真っ先に思いつくのは、バスやタクシー、トラックドライバーなど、人や物を運ぶため「運転」に従事する職業である。
他にも、交通違反の取り締まりのパトカーや白バイ。
高速料金所の料金収受業務も関係してくる。
郵便配達や宅配便も自動運転車両とドローンが運ぶことが考えられる。
渋滞がなくなるので道路交通情報ラジオもなくなり、交通事故がなくなれば自動車保険もなくなっていくのだろうか。
眠気覚ましのガムやドリンクは無くなりはしないだろうが需要は減るだろう。

過去、技術の進歩や産業の発達によって、人の手が担っていた仕事は衰退や変化、再編がされてきた。
上記の仕事も将来、歴史の授業で習うものになるかもしれない。

また、仕事の他に自動車そのものが「移動のための手段」となることで、運転そのものの楽しさを追求することはなくなるであろう。
日常の中では移動居住空間の快適性をより重視する世界となり、自動車を運転するのはモータースポーツの中だけになることも考えられる。

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6.地方で直面している課題

超高齢社会が顕著に見られる地方では、生活のための手段や地域間の移動が問題となってきている。

特に都市部に比べ交通網が整っていない地方では、高齢でも自動車を運転しなければ、買い物にも行けない。
人口減少が影響し、働き手の不足やコスト削減に直面している影響で路線バスの運行も減少や廃線となり急務の問題である。
安全のため高齢者への免許証返納を呼びかけても、生活が成り立たないのであれば困難な現状がそこにはある。

自動運転の自家用車や公共の自動運転バスなどの車両が普及していけば、このような問題は解決していけるのであろう。

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7.無人運転車両への期待

国土交通省では2020年頃に限られた地域での無人運転車両の移動サービス、無人トラックの走行を実現予定とし、東京オリンピックでは無人運転のバスが導入されるという。
また、2025年頃には高速道路の一般向け完全自動化の実現を目指しているそうだ。

自動運転の技術が進めば、悲しい交通事故は減り、地方のライフラインは向上し、より住みやすい世界へと進むはずである。

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8.未来への願い

家族や仲間の顔を見て思う。

交通事故には絶対にあってほしくない。
そして高齢になっても生活の不便をしてほしくない。
未来は明るいものであってほしいと。

(野見山)

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※写真はすべてイメージです。

〈参考文献〉
・日本経済新聞 売上高ランキング 2019年4月1日更新情報
https://www.nikkei.com/markets/ranking/page/?bd=uriage
・内閣府 交通安全対策における先端技術の必要性 2018年交通安全白書
https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h30kou_haku/zenbun/genkyo/feature/feature_01.html

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ライター
ノミー
プロデューサー

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